きれいなモンキーレンチのイラスト

モンキーレンチは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の男を改心なければならぬと決意した。モンキーレンチには青春がわからぬ。
しかし今まさにこの首をカクカク揺らしながら歩く男にされているように、コンクリートの壁に擦りつけられ、カラカラとした音と共に他人を威嚇する用途に作られたわけではない。

モンキレンチは先端を曲げた。大いに曲げた。
コンクリートの壁に力負けしたように曲げたのだ。

のちに男は後悔した。
バイクのボトル一つ回せぬモンキーレンチに。そして、自分自身の行動に。

一本で複数のサイズのボルトを回せるため、特に一般ユーザーに人気がある。

しかしサイズを調節できるため、固定が甘く、ガタ（バックラッシュ）が発生してしまうため、ボルトが傷みやすい。
そのため、プロの間ではなるべくモンキーの使用を回避し、サイズの合ったスパナ（レンチ）を使用される傾向にあり、「モンキーを使っている内はまだまだひよっこ」と言われることもあるようだ。
熟練者はボルトを見ただけで適切サイズが判別できるためだ。

工具なので、やはり工場や倉庫などによく使用される。
インパクトドライバーなどと一緒に配置すると、現場感が出るのでオススメする。